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クラフトハート新プロジェクト「日本で最高に香り高いIPAビールを作ろう」Vol.3

庄原市のホップを使って、日本で最高に香り高いビールを目指して仕込みます。

※「日本で最高に香り高いIPAビールを作ろう」Vol.1 はこちら

※「日本で最高に香り高いIPAビールを作ろう」Vol.2 はこちら

いよいよ仕込み作業です。日本で最高に香り高いIPAビールを目指します。小西さんとの相談で決めたホップは、IPAに多く使われてシャープな柑橘の香りが特徴の「チヌーク」という品種です。温暖な気候では育ちにくいホップですが、広島県北の庄原という西日本でも指折りの豪雪地帯だからこそ、このチヌークホップが育ちやすいと言われています。このチヌークホップを苗木の状態でアメリカから輸入し、自社栽培をしています。庄原が全国に誇るホップの産地になる為に、美味しいIPAビールを何としても成功させます。

 

まるでホップ畑。工場内に広がるグレープフルーツやスパイシーな香り。

真空されたホップは最初はこんな感じです。

これを手作業でほぐしていきます。

全てほぐし終わる頃には、まるでホップ畑の中にいるようなグレープフルーツの香り。青臭さではなくスパイシーでシャープな印象で、心地よい香りが工場内に広がりました。これがビールになると思うと、今からワクワクしてきます。

ただし、このホップをビールに入れるだけで最高の香りになるかといえばそうではありません。ビールの香りを決めるもう一つのポイントは「酵母」です。ホップの香りを引き出してくれるのは実は酵母です。いくら香りの強いホップを入れても、酵母の活動が不十分だと香りが消えてしまいます。最高の香りを目指すには、酵母を今まで以上に元気にして活発化させる必要があるのです。

 

教科書に無い職人の技術を学び、異例の仕込み方法を実施。

酵母を活性化させる為に、酵母のプロの方にアドバイスをもらいに行きました。広島県世羅町でどぶろくを製造されている池本さん(写真右)です。元酒蔵の杜氏さんで、酵母に向かい続けて数十年という経験をお持ちの方です。そんな池本さんから、酵母を活性化させるには温度が重要と教えて頂きました。「酵母が一番活動しやすい温度帯は30度。発酵前のビール(麦汁)をこの温度にして5時間は保つ事が重要」だそうです。

実は一般的なビール造りの教材には、「発酵前の麦汁は20度まで冷却して、すぐに発酵庫へ入れる」と書かれています。そうしないとクリアなビールが出来ないと言われているからです。クラフトハートでも通常の仕込みでは、麦汁を20度まで冷却して発酵の工程に移します。ですが今回のIPAは香りに特化しています。その為の元気な酵母造りの為に、教科書のレシピには無い異例の仕込み方法を実施しました。

 

発酵前のIPAが完成。すでに心地よいホップの香りが感じられます。

教えて頂いた仕込み方法で、発酵の準備が整いました。この後は発酵・熟成期間に入ります。今この時点でも、ホップと元気いっぱいの酵母で心地良い香りが引き出されています。完成予定は12月上旬、それまでテイスティングを繰り返しながら慎重に見守ります。

※「日本で最高に香り高いIPAビールを作ろう」Vol.4はこちら