ダイニングリニューアルオープン記念に仕込んだ「セッション・ウィートIPA」は、これからクラフトビールを始めてみたい方へ提案するために仕込んだビールです。
さてこのビール、セッション、ウィート、IPAと三つのキーワードが続きますが、それぞれ説明したいと思います。
IPAとは
クラフトビールに大手ビールメーカーが参入するようになって、IPA(アイピーエー)という名前のビールもよく聞かれるようになったのはないでしょうか。
インディア・ペール・エールの略で、かつて英国からインドへ輸出する際、ビールの腐敗を防ぐ為に防腐作用のあるホップを大量に入れた事が発祥と言われています。
IPAはパンチの効いたビールが飲みたい!というユーザーから愛されている、ペールエールの中でも個性の強いスタイルです。アメリカのクラフトビール醸造所ではもはや定番として造られています。
セッションとは
アルコール度数の低いビールのことです。高アルコールのビールって重すぎる。素直にビールのホップの風味だけ楽しみたい、そんな人のためのビールがセッション・IPAです。
ウィートとは
通常ビールの醸造には大麦を使用するのですが、その大麦に加えて生の小麦または小麦麦芽を使用したものをウィートビールといいます。
通常のIPAでは大麦麦芽だけで造るところを、小麦麦芽も使っています。これを使うと清涼感のある味わいが演出されるのです。
そして醸造工程の糖化作業のとき、フルボデイでかつアルコール度も5%を越えないように微調整しました。飲み応えがありながらもアルコール度が低いから優しい印象になっています。
最後にホップの苦味つけは極力行わずに、ビールが熟成期間のときに直接ホップを投入する、ドライホッピングという手法を採用しました。これをすることにより、苦味の少ないとてもフレッシュなホップの香りがビールに付くのです。
以上の試みにより、しっかり味わい深いのに、清涼感のあるとても飲みやすいビールになりました。
個性的で味わい深いのに飲みやすい!こんな感想をいただけたら、まさに意図した通りのビールの個性ですので、作り手としては喜びもひとしおです。ちなみにこのビール、海水塩を仕込み水に少量に入れ込んでいます。
このセッションウィートIPAを手始めに、是非是非クラフトビール文化の深淵に一歩入り込んでみてください。ビールの世界が広がりますよ。
セッションウィートIPAスペック
原料:大麦麦芽・小麦麦芽・ホップ・海水塩
アルコール度:4.5%
IBU:100
SRM:8